どんなEA(自動売買)が勝てるの?良いEAの選び方・悪いEAの見分け方
寝ていても働いていても、はたまた遊んでいる間でも、、、、相場が開き続けてる限り24時間、完全自動で取引してくれる便利なEA。
収益性がよいEAであれば自動で勝手に収益を生んでくれます。
しかし、【よし!では俺もやってみよう!】といざEAをダウンロードしようとすると皆さんは途方にくれてしまうことでしょう。
その理由は、まず世の中に出まわているEAの数が多いからです。調べれば調べるほどどんどん新たなEAがでてきてどのEAを選べばいいのかわからなくなります。その数多のEAの中から開示されている情報を正しく読み取って優秀なEAを見つけなけらばなりません。
そして開示されているEAのスペック情報も厄介です。専門的な用語が多く、どんなスペックのEAが優秀なEAであるか見極めるのにも骨が折れてしまいます。
そこで、当ページではこれからEA取引を始める方の道しるべとして、良いEAと悪いEAの見分け方についてポイントを絞って解説していきます。
目次
そもそも「良いEA」とはどんなEAなのか
みなさんは優秀なEAと言われてどのようなものを想像しますか?
「勝てるEA」というのはもちろんですが、問題は「どのように勝てるEAなのか」ということです。
EAの勝ち方については大きく分けて下記の2通りあります。
- リスクをとって大きく勝つのか
- 長期的にみてコツコツ安定して勝つのか
どちらもれっきとした勝ち方ですね。イメージとして、2パターンのEAの収益率を示したグラフが下記になります。
【①リスクをとって大きく勝つEA】
【②長期的にコツコツ安定して勝つEA】
(参考:EA販売サイト「fx-on」)
図の赤線が総収支、オレンジ線が1日の収支を表しています。前提としてどちらも有料で販売されているEAのため、総収支は赤字ににはなっていません。
①のリスクをとって大きく勝つタイプのEAは平均の収益率は高くなっていますが、その分負けた時の収支の沈みが大きくなっていますね。1日でそれまでの利益を食いつぶしています。
一方で②の長期的にコツコツ安定して勝つタイプのEAはしっかり損切されているため、1日単位の収支の沈みが小さく、総収支も徐々に上昇しているのがわかると思います。
このように、当サイトでは、EAの最低1年間ほど長期間回し続けるという性質を加味した上で、優秀なEAは「長期的に安定して勝てるEA」だと定義することにします。
EAを用いる以上、EAに資金を託さなければいけません。そのEAが大損してしまう可能性のあるリスキーなものだったとしたらどうでしょうか?
例えば、皆さんが資金を預ける銀行を選択する場合を考えてみてください。
- A銀行:金利は高いが倒産のリスクが高い
- B銀行:金利は安いが倒産のリスクが低い
もちろん短期間だけお金を預けるなら倒産リスクについては加味する必要はないかもしれません。ただ長期間に渡ってお金を預ける場合は、金利が安くても倒産リスクの少ないB銀行の方が安心ですね。
EAと銀行は「長期的な資金の託し先」という点では共通しています。資金の託し先としては、収益性よりも安全性を重視する方が賢い判断です。
以上の理由から、当サイトでは「長期的に安定して勝てるEA」=損失が大きくなってしまうリスクを抑えながら回し続けることができるEAを選択することをオススメしています。
大きく勝てそうなEAがハイリスクなワケ
収益率の高いEAは、いわゆるナンピン・マーチンゲール系のシステムがインプットされたEAが多くなっています。
ナンピン・マーチンゲールとは投資手法の1つで、ざっくりいうと「負けた時に投資金を倍にして再投資する手法」のこと。
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これをFXの世界にあてはめると、「ポジションを持った際に含み損を抱えるような値動きが発生した場合に倍の大きさの同じポジションをもつ」ことになります。
その後相場が自分の思惑通りの値動きに戻った場合はマイナス分を補てんしてプラスに転じることができますが、値動きが戻らない場合はさらに倍の大きさのポジションをもつことになるので、含み損が雪だるま式に膨らんでいきます。
最悪の場合強制ロスカットになるまでEAがポジションを持ち続け、口座が破綻してしまうことにもなりかねません。
長期的に勝てるEAを選ぶための正しいスペック判別法
良いEAを選択するには、開示されているスペック情報からそのEAの性能を見極めなければなりません。その過程で注目すべき点は以下の2ポイントです。
- PF(プロフィットファクター)
- 最大ドローダウン
EAの利益率を示すPF(プロフィットファクター)
プロフィットファクターとは、フォワードの検証期間における総損失に対する総利益の割合を示した値で、「総利益÷総損失」で算出されます。
例えば総収益が200万円で損失額が100万円の場合、PFの値は2.0です。また、PFが「1.0」の値を示している場合は総収益と総損失額が等しい、「トントン」のEAだということになります。
PFの性質については以下のようなことが言えます。
- PFの値が1.0以上→EAの収支は黒字
- PFの値が1.0未満→EAの収支は赤字
- PFの値が大きいほど収益率は高い
つまりPFが1以上のEAを選択することで、取引収支はプラスになる確率が高く、PFの値が大きければ大きいほど儲けられるEAだということになりますね。
しかし、PFの数字につられて高いPFが提示されているEAを選んでしまうと大きな落とし穴に陥ってしまいます。実は、PFが2や3を超えるようなEAは上述したハイリスクのナンピン・マーチンゲール系のEAに多く見られるからです。
また、検証回数の多いEAほどPFの値は1.0に収束していきます。PFが大きすぎる場合は、EAを選ぶ上での前提条件である「検証回数が多いEA」という条件を満たしていない可能性が高くなり、逆にPFの値が1.0に近いEAは信頼できるものだといえるでしょう。
長期的にみて利益を上げていくのであれば、PFの値は1.0を超えていれば十分です。高いPF値を提示しているEAは検証の信頼性が低く、ハイリスクである可能性が高いので気を付けましょう。
EAの損失幅を示す最大ドローダウン
最大ドローダウンとは、初期投資金に対して含み損を含めて最もマイナスの値が大きくなった時の割合を示した数値のことです。
例えば初期投資金100万円に対して最大損失が10万円だった場合、最大ドローダウンは10%になります。またドローダウンが大きくなればなるほど証拠金維持率が低くなり、ドローダウン100%の時の証拠金維持率は0%です。
もちろん最大ドローダウンの値は小さい方がよりリスクの小さいEAということになりますが、これも先程のPFと同様に数字だけでは判断できない部分があります。
例えば、「最大ドローダウン3%」と記載されているEAがあったとします。一見最大損失が初期投資額の3%に抑えられている優秀なEAのように思えますが、これだけでは情報として不完全だと言わざるを得ません。
なぜなら、初期投資額がいくらなのかがわからないからです。検証テストの際の初期投資額がいくらだったかによって最大ドローダウンの意味合いは大きく変わることになります。
初期投資額が100万円ならば最大損失は3万円ですが、初期投資額が1000万だったとすると最大損失額は30万円となり、同じ最大ドローダウンの値のEAでも大きく差がでてしまうのです。
最大ドローダウンだけを見るのでなく、初期投資額を加味した最大損失額を参考にするようにしましょう。検証テストの初期投資額を明示していないEAは論外です。最大損失額はEAを回す上での準備資金の目安にもなります。
しっかり検証されているかが大前提!
開示されるEAのデータは、開発者が過去に行ったEA検証テストをもとににはじき出されています。いくら高性能のスペックが開示されているEAであっても、検証期間が短かったり取引エントリーが少ないものはスペック自体に信用性がありません。そのようなEAでは長期的に利益を重ねていくことはできないでしょう。
EAの性能を判断する上で、しっかり長い期間回数を重ねて検証されているかも重要なポイントです。
2種類のEA検証
EAの検証テストには、バックテストとフォワードの2段階が存在します。
バックテスト
バックテストとはEAの開発段階の検証テストになります。開発者がインプットしたEAの取引手法の中で、取引lot数や指値の値などを具体的に決定するための最適化を行うのがこのバックテストです。
例えば、開発者がドル円の通貨ペア向けのスキャルピング用EAを開発する場合を考えましょう。
バックテストでは、開発者が考えたスキャルピングシステムで長期安定的に利益を出すために適切な注文サイズ、指値や逆指値、損切ラインなどを過去のドル円チャートの値動きを元にして算出していきます。
このバックテストでEAのパフォーマンスが検証されると次の検証段階に移ります。
フォワード
フォワードとは開発したEAが実際の市場で機能するかどうかの検証テストのことです。このフォワードの検証結果を基にして各EAの詳細スペックが開示されるようになります。
より重要なのはフォワードの検証
ここまで読むとお気付きの方もいらっしゃることでしょうが、EAの検証テストで皆さんと直接的に関係があるのはフォワード検証です。
もちろん、過去の値動きの中でEAがハイパフォーマンスを提示しているかを検証するバックテストも重要です。FXにはチャート分析という手法があるくらいで、現実の為替相場は過去のチャートと似たような動きをしますからね。
ただ、バックテストしか実施していないEAはあまりあてになりません。やはり実際の生きた市場でEAが機能するかどうかを検証したフォワードの方が重要です。
EAのスペックをいきなり見るのではなく、まずはこのフォワードでどのくらいの期間検証が実施されていて、どれだけ取引したかをチェックするようにしましょう。
もちろん検証期間が長く、取引回数が多いことにこしたことはありませんが、目安としてフォワード期間3年で取引回数2万回程度のEAは検証結果に説得力があります。
3年で2万回取引されていれば、1年で少なくとも6000回、1か月で約500回、1日あたり20回程度取引していることになりますね。単純計算で少なくとも2時間に1回は市場にエントリーしているため、あらゆるトレンドや相場に対応した優秀なEAである可能性が高くなります。
優秀なEAと危険なEAをしっかり見分けよう
リスクを抑えて回し続けることが可能で、長期的に安定して利益をあげることができるEAは以下のような特徴をもっています。
- 検証テスト(特にフォワード)が入念に実施されている
- PF(プロフィットファクター)が1前半
- 最大ドローダウンが小さい(検証テストの初期投資額が100万円程度)
逆に以下のような特徴を持つEAは回す上でのリスクが高かったり、怪しいEAが多いので注意が必要です。
- 検証テストがずさん
- PFの値が過度に高い(ナンピン・マーチンゲール系)
- 最大ドローダウンだけで初期投資額は明示されていない
無料EAはいくつもダウンロードして試してみることができますが、高価なEAとなるとそうはいきません。優秀なEAを見つけるためには、開示されているEAスペックを正しく判断できる目が大切です。